またしてもブロックチェーンのお話。株とは直接は関係ないお話なので興味のない方は飛ばしてください。

学生時代に印象に残った本

私は理系の人間なのですが、この社会でどうして貧しくて不幸な人が生まれてしまうのかをぼんやりと考えるときがありました。

私は学生時代に、「アミ 小さな宇宙人」という本を本屋で見かけました。それは地球の少年ペドゥリートを子供の姿をした宇宙人のアミが宇宙の「理想郷」に案内してくれる、という話でした。おとぎ話のようであり、人間の心とこの世界についての強いメッセージが込められている話です。さくらももこさんのかわいい挿絵がついています。

続編に「戻ってきたアミ」「アミ 3度目の約束」があり、全部を買って読みました。読み終わった後はなんだかとても、救われたような気持ちになりました。しかし、メッセージ性が強いので、ともすると怪しく思われてしまいそうで、若かった私は親に見つかるのを恐れて本自体は捨ててしまいました。本の中のメッセージについては頭に強く残っていましたが。

地球は人を幸福にしないシステムを採用している

その本の中では「地球は人を幸福にしないシステムを採用している」という文がありました。私はびっくりしました。システム?システムの問題なの?と思ったのです。「システム」の問題ならそれを入れ替えればみんな幸せになれるってことなの?パソコンのソフトウェアを入れ替えるように?そんなに簡単なことなの?と思いました。
本には、戦争をしない、進歩した平和な「宇宙」の世界の人々は、物を「所有」したり、人と「競争」したりしない、そして「お金」は存在しない、と書かれていました。そして、世界がよくなるように地球の人達は努力するべきなのだ、と。

まあ、おとぎ話の中でのお話ですからね・・。私はそのときはのめり込んで読んでしまいましたが、現実はあまりにそれとはかけ離れていることにすぐ気付きました。

しかも、現実世界ではほとんど何も、社会を良い方向に変えられるような貢献などは、自分にはとてもできそうにありませんでした。私にできるのは、せいぜい少額の寄付をすることぐらいでした。

おとぎ話はせいぜいおとぎ話なので、私は普通に学校を卒業して就職しました。まずは自分の生活費を稼げるようにならなければいけません。運良く結婚できて、子供が生まれました。社会人生活に息苦しさを感じ始めた頃、たまたま1年以上仕事を休業する機会を得ました。
そこで、自分の将来の資産について不安があったので株式投資を始めました。投資すべき銘柄について調べているとき、ブロックチェーンというものの存在を知りました。アミの本を読んでから15年は経っていました。

ブロックチェーンが普及すれば、個人同志が信頼で結ばれるようになり、不正はできなくなる。簡単に言えばそういうもののようです。少なくとも私はそうとらえています。

ブロックチェーンというほどのものでなくても、インターネットで信頼が担保できる仕組みがあればいいのかもしれません。

システムが信頼を保証してくれる

今、人工知能の活用が進んでいます。フェイスブックなどのSNSの情報を調べることによって、その人が信頼できる人間なのかを調べる仕組みができてきています。

私達は今まで、相手を信頼できるかどうかはどうやって判断してきたでしょうか。まずはその人の勤め先、家族、友達、人付き合いの仕方、話し方、自分や周りの人に何をしてきたか、あるいは周辺の人に嫌な思いをさせてこなかったかどうか、そういうことで判断してきたのではないでしょうか。

今や、その人は信頼できるかどうか、という判断は人工知能がやってくれる時代に来ているのです。私達が相手をいちいち詮索しなくても、人工知能がしてくれるようになるのです。

 一番大事なのは、その人の過去の行いになる

人工知能はどんどん優秀になり普及するでしょうから、よりその人のデータは精密なものになっていくでしょう。そして多くの人がそれを信用するようになります。

そうすると、過去に不正なことをした人はその人の信頼性を担保するものが少なくなり、有益なサービスを受けにくくなるでしょう。そうなれば、人は必然的に不正をやりにくくなる。そしてなるべく人に信頼されるように、誠実に生きようとするはずです。

そして、より周りの人に役立つ貢献をした人の評価が高くなって来るはずです。貢献とは福祉の分野だけではなく、文化的なものも含まれます。例えば、こんなに美しい景色を見たから、みんなとも共有するためにブログにアップする、そんな簡単なことでもいいはずです。それでそのブログを見た人の心が潤うなら、それは貢献の一つだと思います。

そこで大事なのは富や価値あるものを「共有する」、ということです。共有は、今後より重要なテーマになるでしょう。

大事なことは「所有」することではなく、分け合うこと

大事なことは所有することではなく分け合うことになってくるでしょう。その方が、より多くの人とのつながりができ、その人の社会的な評価も保証されるからです。つながり、といっても人づきあいの苦手な人もあまり心配することはないと思います。その人が周りの人に嫌なことをしないで真面目に生きていれば、システムはその人を信頼できる人と認めるはずです。繊細な人というのは傷つきやすく、人づきあいの苦手な人もいるというのは、人工知能もわかっているはずです。システムが人をつなげてくれるのですから、もしその人に現時点で友達が少なくても心配することはありません。

「カーシェアリング」などの「シェアリングエコノミー」が普及してきていますが、それはその兆候の一つだと思っています。「所有」するのは必ずしも大事ではないのです。高価な車を所有して維持管理していくのは大変なことです。もし、車を買うのに十分なお金がないのに車を買えば、その人は一人でローンに苦しむことになります。それはつらく、孤独です。かっこいい車に乗りたければ、それを複数の人、しかも信頼できるとシステムが認めた人同志で共有しあえばいい、そういうことです。その方がより気軽に楽しめます。

そこまで考えると、あれ、昔読んだアミのおとぎ話に出てくる理想の社会システムに、現代も少し近づいているんじゃないのかな、と感じたのです。「お金」というシステムがなくなるのはまだ先でしょうが、この世界のシステムははもしかしたら、「人間を幸福にするシステム」に近づこうとしているのかもしれません。

スポンサーリンク