またしてもメタップス社長のツイートから記事を読んでみました。

元の記事は2017年06月02日のGigazineの記事「働かなくてもお金がもらえる「ベーシックインカム」を導入しても労働需要に影響はないことを示す研究結果」です。

http://gigazine.net/news/20170602-basic-income-iran/

です。この記事に対して、メタップスの佐藤航陽社長は

ロジックからすると誰でもこの帰結に遅かれ早かれ辿り着くけど、どういう結果になるかは楽しみ。」

とつぶやいています。

では、記事の内容を見てみましょう。

イランでは2011年から国民平均収入の29%を現金払いで保証するという制度が導入

イランでは2011年から国民平均収入の29%を現金払いで保証するという制度が導入されたそうです。全然知りませんでした。

いいなあ。

要点をまとめるとこんな感じ。

「・イランでは2011年に石油・ガス補助金が大幅削減された代わりに、国民平均収入の29%にあたる1日1.5ドル(約170円)を雇用状態にかかわらず、現金で支給するという制度が導入された。

・導入から6年が経過したイランで、労働力にどんな影響があったのか、ということを経済学者が調査した結果が報告書にまとめられた。

・現金補助制度が始まる前年(2010年)と翌年(2011年)の家計収入の遷移と、同年の労働状況を比較した。調査の結果、現金補助制度がイランの労働需要に影響を与えたことを示す証拠はほとんどすべての世代で発見されず、かえってサービス業界のような職種では従業員の労働時間が増加し、事業拡大につながったという結果も出ているとのこと

・一方で、主に20代の若者の労働時間は減少するという結果が見られたが、イランでは現金補助制度が確立する以前から若者の雇用状況は良くなかった。20代の若者の労働時間が減少したのは、現金補助という追加収入を進学に充てたためと考えられている。」

 

うんうん、いい結果のようですね。最低限の生活の保障があることから、自分がやりたい仕事に転職しやすくなったのかもしれません。自分が向いている仕事だと思えば、働く時間が増えても苦痛ではないかもしれませんし。

20代の若者が進学に充てる現金収入が得られたのはいいことですよね。大学に行きたい人は行って、そこで得た知識を使ってさらに社会に貢献できる人材になってほしいですよね。

ついでにgigazineの2017年01月23日の記事、「なぜ働かなくてもお金がもらえる「ベーシックインカム」を導入すべきなのか」も読んでみましょう。

なぜ働かなくてもお金がもらえる「ベーシックインカム」を導入すべきなのか

まとめるとこんな感じ。ほぼそのままですが・・・。

「・政府がすべての国民に対して最低限の生活を送るのに必要とされている額の現金を無条件で定期的に支給するというのが「ベーシックインカム」の構想。

・2017年1月17日(火)から行われた世界経済フォーラムでもベーシックインカムについて議論が行われており、「なぜ国はベーシックインカムを導入すべきなのか」をライターのScott Santens氏が語っている。

(読みたい方は下の記事を検索して読んでみてください。英語ですが・・。)

Why we should all have a basic income | World Economic Forum
https://www.weforum.org/agenda/2017/01/why-we-should-all-have-a-basic-income/

・ベーシックインカムを行っていない、100人の国民がいる「A国」があると仮定する。A国には国民100人に対し仕事が80個しかない。労働人口の半数は自分の仕事に満足しているが、残りの半数は「自分は仕事に向いていない」と考えながらも「無職よりマシ」と働き続けている。そして、仕事がない20人のうち10人は「仕事がしたい」と考えているが、「働きたくない」と考えている人によって仕事の枠が埋まっているので、働きたくても働くことができない

・ベーシックインカムは上記のような仕組みを解決する手段になるかもしれない。最低限の生活を送れる保障を得ていると、仕事の環境や賃金から「働きたくない」という人が仕事を断ることができ、空いたポストに「働きたい」と考える人がつける。また、お金に困窮していると労働者は我慢して働かざるを得ないが、生活が保障されていれば労働者が雇用者に対して交渉する余地もできる。

・ベーシックインカムを行うB国において、「国民100人に対して仕事が80個」という条件はA国と同じ。しかし、働きたくない40人は労働市場に背を向けることが可能なので、働きたい50人は確実に職を得ることができる。また、働いている50人も金銭的な余裕があるので雇用者と交渉でき、よりよい労働環境を作り出すことが可能。そして、いったん労働市場に背を向けた40人は、スタートアップを起業することもできる

・具体的にベーシックインカムをどうデザインするかで費用は異なるが、アメリカがベーシックインカムのために増やすべき税収入は1000億ドル(約11兆4000億円)以下になると見られている。

・ベーシックインカムとは運転におけるシートベルトのようなもの。優良なドライバーにとってシートベルトは不要に見えるかもしれないが、全ての事故が運転の荒いドライバーによって起こされるわけではない。事故は時と場合によって誰にでも起こりうるものなので、「この人にシートベルトは不要」「この人には必要」と個別に判断してシートベルトの取り付けを決め、コストを削減するのではなく、お金の無駄に見えてもシートベルトは全ての車に取り付けられるべき。

・ベーシックインカムは人々の働く意欲を奪い、働くことの妨害になるという意見もあるが、ベーシックインカムが導入された世界においても、人々は仕事の対価としての収入でよりよい生活を求めることが可能。保証されているのはあくまで生活に必要な最低限の収入であって、求める生活の形に応じてフルタイム・パートタイムなどで仕事を行い収入を得て、よりよい暮らしが行える。ベーシックインカムはむしろ、既存の福祉制度が作り出した「働くことへの妨害」を取り除くためのもの

・過去に行われたモチベーションに関する研究では、お金という報酬は機械的な仕事においてうまく機能するが、クリエイティブな仕事に関してはよいモチベーションにならないことがわかっている。多くの研究者が、将来、機械的な仕事はロボットが行うようになりクリエイティブな仕事が人間に残されると予想していることを考えると、モチベーションはお金ではなく「ゴール」の設定になる

・世論調査によると、世界的に見た時に「自分の仕事は自分にあっている」と感じている人は13%とのこと。アメリカでは70%の労働者が仕事が自分に「合っていない」と感じており、生産力低下による損失は年間5000億ドル(約60兆円)に上ると見られている。

・ベーシックインカムが実現されると、労働市場の選択肢が増え、雇用者が会社を労働者にとってより魅力的であるようにする必要に迫られる。人々は仕事を移りやすくなり、再度大学に入学しやすくなり、起業もしやすくなる。また、ロボットや人工知能が発達していくことによって、単純な仕事は機械の役割になるので、「機械がやった方が安い」という仕事が生まれ、人間の行う仕事の賃金は上がる。

・実際にベーシックインカムの実験はさまざまな都市で行われているが、アフリカ南西部に位置するナミビアのある村で行われた実験では犯罪率が42%減少し、貧困世帯が減り、商売を自分で始める人が増加するといった変化が報告されている。もちろん、ベーシックインカムは問題を解決するための確実な方法ではないが、人が安心して生きていける経済基盤を作れば、より人間が繁栄していけるというのがベーシックインカムの考えである。」

 

なるほど。わかりやすく書いてある記事でした。

現状の生活保護のシステムだと、一度生活保護をもらうと、そのあとに働きだして一定の収入が得られたら生活保護は打ち切りになるので働く意欲がそがれる、というのはあるかもしれませんね。働いても、働かなかったときと比べて得られる収入にそれほど差がなければ働く意欲がそがれるかもしれません。

ベーシックインカムだと、働いていても働いていなくても最低限のお金はもらえて、働いた場合はプラスで収入が増えるわけだから、よりいい暮らしをしたいと思う人はより働くことになるでしょう。結果、働く意欲はそがれない。

犯罪率が低下して貧困世帯が減って商売を自分で始める人が増えてくるのもいいことですよね。

それと、私が面白いな、と思ったのは、

お金という報酬は機械的な仕事においてうまく機能するが、クリエイティブな仕事に関してはよいモチベーションにならないことがわかっている」

というところ。人が本当にやりたいこと(クリエイティブな仕事)をする、ということと、お金という報酬はそれほど関連性がない、ということでしょう。その人はそのクリエイティブな仕事をやりたいからするのであって、お金がもらえるからするわけでない、ということですね。

人生において最も大事なことは、自分が本当にやりたい、クリエイティブな仕事というゴールを見つけることなのかもしれません。